「軍艦島」フィールドワーク

10月6日(土)~7日(日) 外海や長崎(出島、山手)見学も

 10月7日(日)に端島(「軍艦島」)を訪ねました。台風が直撃した翌日だったので上陸はできませんでしたが、見学船からその威容を十分に見学することができました。

 そして、世界遺産に指定され、観光地として注目される現在の端島の現状や、負の遺産としての視点も学習することができました。(つづく)

社会科授業づくり講座②

「原発・福島・放射能をどう教えるか」

9月8日(土) アスト津・市民交流スペース⑦⑧

 今年度2回目の授業づくり講座は、原発や放射能をテーマにしました。子どもたちにどう教え、どう考えさせるかはなかなか難しいですが、避けてはいけない内容です。どの学年にどんな内容で考えればいいのかを深めました。

〇「もうけ」より人の命、ふるさとの自然(草分京子)

 福島で起こったことを学習した子どもたちは、四日市公害やハンセン病など、これまでに学習したことと同じだと感じました。くわしく書かれた授業記録からも、子どもたちが生き生きと自分の言葉で意見を出し合っている様子が伝わってきました。授業の前提として、学級づくりや地域とのつながりから共感を育てたいという言葉も良かったです。

〇柴原洋一さんのお話から

「原発おことわりの会三重」の柴原洋一さんに福島や原発をめぐる現状を話して頂きました。

 お話は避難者の状況、裁判の画期的判決、汚染水や再稼働の問題など多岐にわたり、知らないことばかりで、アンテナを高くしていないといけないと感じました。

福島原発から放出された放射能は広島原爆の1000倍」「4万㏃/㎡以上は放射線管理区域だが、飯館村は400万㏃/㎡」など、具体的な数字があれば深刻さがよくわかります。

「安全になるために100万年かかる放射性物質を出してしまうこと」だけでも原発は許されないという言葉も説得力がありました。柴原さん、どうもありがとうございました。学習はとても大切です。

地域での学習会 ④(伊賀市)

7月7日(土) 伊賀白鳳高校

 今年度4回目の「地域での学習会」は、伊賀市での開催でした。午前中は京都大会で報告されるレポート2本から学びました。

〇子どもたちと学ぶ憲法(上野かすみ)

 米軍基地問題から基本的人権を考える学習で、普天間第二小学校でのできごとを窓口にしました。普天間基地の大きさを地域の地図に重ねたり、落ちてきた部品の大きさや重さを体感させたり、子どもたちが具体的にイメージできるための工夫がされていました。子どもたちの多様な意見からも学ぶことができました。

 

〇平和は教育の仕事~伝え続けてきたこと~(原田聡子)

「戦争回避は政治の仕事ですが、平和は教育の仕事です」というモンテッソーリの言葉から提案が始まりました。「核、戦争、憲法、平和」「環境」「防災」「親切、いじめ」「夢」などをテーマに意見文集を作り、それを読んで子どもたちが感想を書き合うという取り組みでした。子どもの家族も長文の感想を書いてくれる時もあったそうです。「暴力では絶対に解決しない」ことを伝えたいという原田さん。ペシャワール会の中村哲さんの本や映像にすべてが含まれていたとも語って下さいました。

 午後は念願の生琉里(ふるさと)地区を訪ねました。ここは満蒙開拓団としてハルピン郊外につくられた「満州天理村」から引き揚げられた方が中心となって作られた戦後開拓村です。

 満州天理村について利光誠治さんからお話をうかがい、貴重な写真も見せて頂きました。また、満州天理村についての出版物も頂きました。

地域での学習会③(多気町、明和町、玉城町)

6月24日(日) 多気町図書館ミーティングルーム

 今年度3回目の「地域での学習会」は、明和町や玉城町を知りたいという会員の要望を受けての開催でした。午前中は多気町図書館で京都大会で報告されるレポート3本から学びました。

〇人権教育から平和教育へ(中西弘行)

 子どもたちと人権教育に取り組む中西さん。今年は「性の多様性」について学んでいます。

「体の性」だけでなく「心の性」「好きになる性」を知ることで、子どもたちは多様な性があることに気づきます。学習後に「自分は変だと思っていたが、同じことを思っている人がいるとわかって嬉しかった」という感想があり、この学習が本当に大切であることがわかります。一度では消化しきれないから「性にはいろいろある」ことから始めて「それもいいね」とつなげること、性の分類に走ることは意味がないことなど、大切なポイントもたくさん学べました。

〇アメリカにも伝わった人形交流と戦争(岩脇 彰)

ネブラスカでの展示より
ネブラスカでの展示より

 昨年の答礼人形「ミス三重」里帰り展の展示パネルを担当した三重歴教協は、説明文の英語併記にこだわりました。そして英語表記の結果、人形交流そのものがアメリカからの来場者に伝わり、秋に開催されたネブラスカでの展示では、前回(2010年)に比べて人形交流の解説、特に戦争中に守られた人形について詳しく紹介されていたそうです。20年にわたる取り組みの積み上げを学びました。

〇A君と学ぶ日本国憲法(草分京子)

 6年生の子どもたちが、日本国憲法の条文を自分の言葉で表現しているので「どうやったら、こんなに書くことができるのか」と驚きの声が上がっていました。重度の「障害」のあるA君も豊かな言葉で表現できていました。子どもたちがハンセン病や四日市公害など今までに学習したことをふまえてが書いているのも印象的でした。

 市内にできた子ども発達総合支援センターで法律や住民運動、予算の学習を展開するのも見事でした。

 今回も中嶋千絵さんがお弁当を用意して下さいました。第1回の地域での学習会に続いて2回目です。お弁当だと時間の節約になりますし、お財布にもやさしいです。そして、何と言っても美味しい! 

 三重歴教協の活動に、新しい魅力がまた一つ増えました。レシピや食材のお話も楽しいです。

津波避難施設(明和町大淀)
津波避難施設(明和町大淀)

 午後はフィールドワーク。

 田丸城跡(玉城町)の石垣や景色を楽しんだ後、近くの三縁寺へ。お寺の山門には近くに落とされた爆弾の弾痕が残されていますが、今回の見学で新しい弾痕を参加者が見つけました。しかも中に爆弾片と見られる金属片も残っていました。山門での金属片は2例目です。それから大淀地区(明和町)の津波避難施設、明和町の指定文化財になっ

た「陸軍第七通信連隊(128部隊)」の防空壕を見学しました。三重県で初めて戦争遺跡として指定文化財になったもので、明和町の英断が光ります。

 最後は「元丈の里」(多気町波多瀬)でお買い物も楽しみました。頭も心もおなかもいっぱいになった一日でした。

社会科授業づくり講座①

「地域を活かした社会科の授業」

6月10日(日) アスト津・市民交流スペース⑧

 三重民教連「初夏の研究集会」で「地域を活かした社会科の授業」分科会を担当してほしいという依頼があり、三重歴教協恒例の「社会科授業づくり講座」の第1回として取り組み、2本の京都大会レポートから学びました。

「地域の特徴を生かした社会科の授業~2つのスーパー見学を通して」(花川和樹)

 地域の二つのスーパーを比較して、商品や売り方の工夫を考えた授業でした。「地域の商店で何をわからせたいのか」ということが討論の中心になり、「企業の消費者戦略より、消費者目線で」「車社会や大店法が個人商店を変えた現実を地域から見れないか」「厳しい中でも生き残っている地域の小売店を大切にしたい」などのアイディアが出されました。

「資本論につながる今を探る日々ー資本論150年」(萩森繁樹)

 昨年から教壇に復活され、しかも初めて高校生と過ごす萩森さん。「資本論は自分にとっての串、もう一つが高校生や若者の意識」「学ぶとは未来を語ること」と語られます。「マルクス、エンゲルスも活動的。自分も動きたい」という言葉も心に残りました。これからは『四日市公害反対運動小史』をまとめることを目ざすそうです。四日市公害激甚地の磯津地区の方と協働されている『磯津環境通信(いそかん)』も電話帳を超える厚さになっています。歴教協らしい「地域に学び、地域をつくる」取り組みでした。

地域での学習会②(いなべ市)

5月13日(土) 賀毛神社社務所

 今年度2回目の「地域での学習会」はいなべ市。いつもの賀毛神社社務所をお借りしての開催でした。午後から強雨が予想されるあいにくの天気だったので、日程を少し前後しておこないました。

〇「五代アイと治田鉱山」(民上眞由美)

 五代友厚の次女の五代藍子(通称アイ)による治田鉱山の再開発についての掘り起こしで、詳細なパワーポイントでの報告でした。

 アイは治田(現いなべ市)に住み、地域の人は「おとこ女」と言っていたそうです。民上さんも見かけたことがあり、その様子をスケッチで紹介して下さいました。民上さんのお父さんは「あれはお公家さんやで」と言っていたそうです。

 土石流で埋没してしまった治田鉱山の遺跡の、埋没前の画像も貴重でした。

〇藤原小学校の今(菅野綾乃)

 旧藤原町の小学校5校を統合して2017年度に開設した藤原小学校。藤原中学校も併設され、職員室も同じ場所だそうです。中学生が小学生に本の読み聞かせをするなどの取り組みもすすんでいます。

 子どもを中心にして課題を見つけ、取り組みをつくっている、員弁らしい教育の報告でした。

 雨が強くなる前に、午後の予定を繰り上げて現地見学をしました。

 治田小学校と笠間小学校の奉安殿の後、サンクチュアリ(いなべ市藤原町)の美味しいマス料理をはさんで、小滝川の土石流現場へ。

 現地には巨大な砂防ダムが造られ、自然の力の大きさがわかりました。強く降る雨の中で砂防ダムを見ると、自然災害を身近に感じました。

〇「パンプキン・コンビナート、そしてフクシマ  四日市で原発を考える」(早川寛司)

 再び賀毛神社社務所に戻って、京都大会レポートの報告を聞きました。早川さんのダイナミックな取り組みです。

 この年の5年生は、沖縄や長崎(漁業)など、手紙を自分たちでよく出し、その一つの毎日小学生新聞が来校されました。

 戦争と公害の共通点は「国策」「命の軽視」「子どもも犠牲になったこと」に気づいた子どもたちは、福島の原発事故についても考え、東京電力にも手紙を出しましたが、返事は来なかったそ

うです。毎日小学校新聞の編集長との学習で、原発に賛成か反対かは結局「国の安全対策が信じられるか、不安なのか」に集約されていったのは見事でした。

 また、憲法9条「陸軍・海軍・空軍その他の戦力」の「その他の戦力」の英訳は「as well as other war potential」つまり「戦争を可能にする能力」「軍需産業」のことも意味するので、プルトニウムができる原発もこれに含まれるのではないかという指摘も心に残りました。

 鉄腕アトムが誕生したのは2003年4月7日ということは知っていましたが、「バックー・トゥザ・フューチャー」でタイムマシンが帰って来たのは2015年だったというのは気づきませんでした。映画では、車の燃料はバナナの皮などバイオエネルギーに代わっていて、原子力は放棄されていましたが、早くそんな世の中にしたいと思いました。

 (報告に夢中になっていて、早川さんの撮影を忘れてしまいました。すみません…)

地域での学習会①

4月7日(土) アスト津・ミーティングルームA

 今年度最初の「地域での学習会」。実践報告と現地見学を組み合わせた恒例の学習会です。

 午前中は京都大会レポート2本から学びました。

〇「よりよい図書館づくりをめざして」(中嶋千絵)

 降って湧いたように出てきた亀山市の駅前図書館構想に、疑問や違和感を感じた市民が市と交渉をもち、よりよい図書館を作るための具体策を提起されている報告でした。書店やお母さんたちとのつながりも少しずつ広がっています。歴教協らしい「地域に学び、地域とつながり、地域を変える」取り組みでした。

〇「地震記念碑を地域の減災に活かす~防災学習会で講演したこと~」(新田康二)

 三重県各地の地震・津波・災害記念碑(墓地を含む)を精査され書籍にまとめられた新田さん。その成果が注目され、NHKの「ナビゲーション」でも紹介されました。「石碑は津波の実像を伝えている。どんな規模の津波があり、どうしなければならないかを伝えている」と新田さん。神津佐(南伊勢町)では盆踊りの歌に津波が歌い込まれているなど興味深いお話でした。各地の講演会に呼ばれ、その地域の災害記念碑をもとに語られるのでインパクトは絶大です。地域の掘りおこしの典型的な取り組みでした。

 この日の昼食は中嶋さんがお弁当を作って来て下さいました。中嶋さんは退職後に調理師免許や野菜ソムリエの資格を取られ、調理師としても働かれたことがあります。三鈴支部では毎年「中嶋さんの手料理を楽しむ会」を例会でして人気ですが、この日は全県の方に賞味して頂けました。

 中嶋さん、どうもありがとうございました。

 第3回の地域学習会でも用意して頂ける予定です。

 午後は津市内の現地見学をしました。最初に行ったのは香良洲歴史資料館。津空襲や戦争の事実を物語る写真や実物資料、予科練の資料などを見学しました。近くに作られている「命壇」も見学しました。それから水分神社、軍馬軍犬碑と陸軍墓地、寒松院の被爆墓石(藤堂家)を訪れました。若い会員が増えたこともあり「初めて来た」という声が多かったです。

 新田さんの案内で行った浄明院(津市)。江戸川乱歩と言えば名張や鳥羽と思っていましたが、津市にお墓があることには驚きました。歴史の深さを感じました。その後、塔世橋の被爆欄干を見学して終了しました。

18年度総会

3月21日(水祝) アスト津・ミーティングルームAほか

 午前中は17年度の活動・決算報告、18年度の役員・活動案などの討議をおこない、今年度の取り組みの内容が決まりました。

記念講演

「朝鮮の今、朝鮮の真実を伝える困難さ」

(フォトジャーナリスト  伊藤孝司さん)

 三重在住のフォトジャーナリストで、朝鮮民主主義人民共和国を何度も取材されている伊藤孝司さんに、共和

国の現在の姿を、豊富な写真を使って語って頂きました。一番驚いたのは、東京のキー局は、共和国をパッシングする内容でなければ放送しないと明言し、大手雑誌も記事を掲載しても本文と正反対のタイトルをつけるということです。

 視聴率至上主義のテレビと、販売部数を気にする出版業界の事情があるそうですが、その報道を見て日本人、特に子どもたちの認識は育つので、重大な問題で

す。伊藤さんからは「やせた子どもの映像は90年代後半のもので、今は食料自給に成功している。地平線までりんごの木が植えられていたり、肉をとるための牧場もある」「平壌と地方都市の格差はある。平壌の発展はめざましいが地方はそれに追いついていない。どの町もまず図書館を立派にする。本ではなくパソコンを充実させ、コンピュータネットワークが極端に発展している」「敗戦直後の遺骨収集と墓参、日本人妻や在留日本人の里帰りは早急にする必要がある」「板門店で脱北した兵士は、泥酔状態で友だちとふざけていて、韓国に逃げ込む羽目になったらしい」「国の政策で、ノルマを払えばそれ以上のものは自分の利益にできるようになったので、生産量が上がっている。日本に漂着した木造船もさらに収入を得るために来たのだろう」などなど、多くのお話を聞かせて頂きました。

 伊藤さんは共和国に38回、韓国に45回、アジアに約200回行かれ、800人の聞き取りがあるそうで、膨大なインタビューのビデオを編集して多言語のナレーションをつけたいそうです。業者に発注するにはお金がかかるそうなので、少しずつでも協力したいと思いました。

三重県歴史教育者協議会
略称:みえ歴教協
(みえれっきょうきょう)
〒513-0012
鈴鹿市石薬師町354
      萩森繁樹

 

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